Story

「X-Charge unit」
開発ストーリー

“食”の安全や“料理”の
既成概念を変える
新・鮮度保持装置
[X-Charge unit]

冷蔵庫とも、冷凍庫とも異なる全く新しい鮮度保持装置[X-Charge unit]を知っていますか?わたしたちの“食”をめぐる様々な既成概念を大きく変える可能性のある、革新的な装置です。この装置の最も重要なポイントは、食品に含まれる水分を安定させる<Water Stability System>と呼ばれる、XEN GROUPが開発した独自の技術にあります。採れたて、出来立ての、品質の良い状態の食品の水分を安定させることで、食品が本来持っているおいしさのポテンシャルを引き出したり、品質を良い状態に保ったままで長期保存することを可能にしています。

開発のきっかけは、フードロス課題との出会い

開発のきっかけは、
フードロス課題との出会い

XCUの開発は、XEN GROUPの「ある思い」から始まりました。1963年創業のXEN GROUPは、元々板金加工や塗装を生業としていましたが、会社の成長の過程で食品事業に参入。事業のスタートは豆腐の製造装置でした。豆腐事業に関わるうち、製造過程で出る大量のおから処理の問題にぶつかります。“うちが豆腐を作る過程だけで、これだけのおからが出るのだ。このうち、ほとんどがただ産業廃棄物として処理される。今の技術や常識の中で、人が食事を行うまでに一体どれだけのロスが生じているのだろう。少なくとも現在の食品産業のあり方は、サステナブルではない。”そこでまず、XEN GROUPは食品の生産過程で生じたおからの乾燥を行い、アップサイクルしやすくするX-Dry unitの開発に取り組みます。機械装置の改良を繰り返し完成したX-Dry unitでしたが、食材の乾燥には想像していたほど大きなニーズがなく、本当の意味でのフードロス解消につながらないことがわかってきました。

冷蔵、冷凍技術のリニューアルではなく、鮮度保持技術のイノベーションを

冷蔵、冷凍技術の
リニューアルではなく、
鮮度保持技術のイノベーションを

根本的にサステナブルな食を実現するためには、そもそも食材のロスを出さない装置を開発する必要がある。そこで次にXEN GROUPが目を向けたのが食材の鮮度保持技術でした。“さまざまな技術革新があったこの時代の中、鮮度保持といえば基本的に冷気を吹きつけるだけ。200年変わっていない。なぜ誰も革新に取りかからないのだろう?”既存の冷蔵・冷凍技術では、保存するうちにどうしても鮮度が落ち、おいしさが失われてしまいます。冷凍庫に入れておいたけど、いわゆる「冷凍焼け」して食べられなくなってしまった、解凍したらぱさぱさで美味しくなくなってしまった、といった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。流通から小売、飲食店まで、食品を扱うあらゆる現場が鮮度を落とさないよう工夫を凝らしていますが、おいしさを保つための労力やコストは想像以上に大きく、食品産業自体の「働き方」がサステナブルとは呼べない一因にもなっています。“鮮度保持技術のイノベーションを起こして、食材の常識、食品業界の常識を変えなくては”こうした使命感に基づき、[X-Charge unit]の開発がスタートしたのでした。

食品の品質を保ち、おいしさを引き出す開発チームがたどり着いた、2つの発見

食品の品質を保ち、
おいしさを引き出す
開発チームがたどり着いた、
2つの発見

“冷蔵庫や冷凍庫に入れていても食品の鮮度が落ちるのはなぜだろう?”“そもそも冷蔵庫、冷凍庫とは、どういう仕組みで冷やしているんだろう?”“自分達が取り組むものも、冷凍庫と同じ考え方でいいんだろうか?”食品事業を手掛けていたとはいえ、業務用の冷蔵・冷凍装置や鮮度を保つための装置開発などまったくの未経験。食材の冷蔵・冷凍のプロの力も借りながら、開発を開始することになりました。既存の冷蔵冷凍技術と食品の鮮度維持に関する研究を繰り返すうち、開発チームは2つの発見へとたどり着きました。ひとつは、食品の品質を長期的に良好に保つ上で最適な、水分が安定する不思議な温度帯(−0.1℃~-1℃)があること。もうひとつは、熱交換によって「冷やす仕組み」自体を変えれば、食品全体を均一に温度帯へ導けるということ。その上、この仕組みを用いて冷やす過程で食品の状態が“ととのい”、保存期間を伸ばせるだけでなくより美味しくすることができるということもわかったのです。

3台の試作機を経て、遂に完成 挑戦と試行錯誤を支えた、ものづくりの歴史

3台の試作機を経て、遂に完成
挑戦と試行錯誤を支えた、
ものづくりの歴史

何をするべきか、どんなものを作るべきかは明確になったものの、いきなり完成品ができたわけではありません。”初体験のことすぎて、開発を始めてからも、みんな何を作っているのか、作りながらもわかっていなかったんです。部品はできたけれど、全体を俯瞰して見ることができていなかった。最初の試作機は、実際に組み立ててみてはじめてすき間だらけだとわかったのです。”試作の費用は1台あたり約3000万円。最終的には3台も試作を作ることに。“[X-Charge unit]の開発は例のない挑戦だったので、自分たちで答えを見つけ出していくしかありませんでした。全てが手探り。正直苦しい思いの連続でした。でも、失敗で終わらせるつもりはなかった。ものづくりに真摯に向き合ってきた自分たちの経験・知恵を結集すれば、必ず成功できるという自信がありました。”XEN GROUPの歴史の中で取り組んできた板金技術をはじめ、これまで培ってきたものづくりの経験が、 [X-Charge unit]の開発にふんだんに生かされました。一方で、冷蔵技術や冷凍技術についての知識がなかったことも逆に良い方へと作用しました。“こうするべき、という既存の価値観や方法にとらわれず、全く新しいものを作り出すことができました。”

2023年、[X-Charge unit]発表 食品管理のプロの技を、誰の手にも届くものに

2023年、[X-Charge unit]発表
食品管理のプロの技を、
誰の手にも届くものに

3回の試作を経て、改良を重ね、2023年ついに完成した[X-Charge unit]を発表。“正直、最初は「これは一体なに?」という反応が多かったです。しかし、調理の現場で困っている人たちはすぐに機械の意義をわかってくれました。ただ保存するだけでなく、素材の味が本当に変わるので、ある有名なシェフから「調理の概念が変わるのでは」と言われたほどです。”[X-Charge unit]にかければ、従来よりも長期間食材の新鮮さをキープすることができます。食材を無駄なく保存し、しかもおいしくする。まさに「フードロスの根本的な解決策」です。“これは食材を効率的に冷やすための機械でも、新たな調理器具でもありません。それは機能の一部であり、 [X-Charge unit]の本質ではない。食品管理のプロの技術を、誰の手にも届くようにすることができたと思っています。”現在は小規模な飲食店などでも導入できるように、コンパクトサイズの開発を進めています。“当面の目標は「[X-Charge unit]を使っている店って、おいしいよね」と言われるようになることです。だから、まずは本当にいい食材、いい料理を提供したいと思っている人たちに試してもらいたいと思っています。”

おいしいものを、ロスなく食べて健康に 食の未来改革に挑戦し続ける

おいしいものを、
ロスなく食べて健康に
食の未来改革に挑戦し続ける

[X-Charge unit]を普及させていくことが、サステナブルな食の実現に向けた大きな第一歩になるとわたしたちXEN GROUPは信じています。しかし同時に、[X-Charge unit]だけで<食の未来改革>を成し得ることはできません。例えば生産者の手元から、みなさんの食卓に食材が至るまでの過程には、まだまだたくさんの課題が存在します。食品を美味しいまま、鮮度を落とさずに届ける<新しいコールドチェーン>の構築は可能なのか。乾燥( [X-Dry unit] )、鮮度保持( [X-Charge unit] )に次ぐ、さらなる食の課題解決につながる技術開発とはなにか。これからもXEN GROUPは食の未来改革への使命感を持って、おいしいものをロスなく食べて健康になれる、新しい社会の実現に挑戦し続けます。

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